家族と住む自宅とは別

「男女の出会いの場」をうたった出会い系サイトが頻繁に使われるようになったのは1990年代後半だ。未成年者が巻き込まれる事件が相次ぎ、2003年6月には18歳未満の書き込みなどを禁じた出会い系サイト規制法が成立。昨年12月にはさらに規制強化された。運営業者には公安委員会への届け出が義務づけられ、利用者に身分証明書を送らせるなど年齢確認も厳格化。9年間続いてきた“老舗”の出会い系サイト「スター・ビーチ」が今年1月に閉鎖するなど、廃業が相次いだ。

しかし、出会いの場は家出掲示板や下着サイトなどに移っている。03年から家出相談の掲示板を運営している神奈川県の30歳代の男性は「法改正後、次々と掲示板が現れ、業者の競争が激化している」とみる。

都内の男子大学生(19)がナンパにいそしんでいた。都内に住む18歳女性をかたり、「いま渋谷にいる人いない?」「一緒に遊ぼう」などと少女を品定めする。

「出会い系は登録に個人情報が必要で、リスクも高い。普通の子が使っている家出サイトの方が相手を見つけやすい」。過去に2回、家出少女を泊め、うち1人と性的関係も持ったという。

「家を提供しているのだから、性的な関係になっても構わないと思っていた」

都内の住宅街で家族と暮らす会社員の男(34)は、読売新聞の取材を受け、事件をこう振り返った。会社員は06年1月、家出掲示板で出会った少女にわいせつ行為をしたとして神奈川県青少年保護育成条例違反容疑で逮捕され、有罪判決を受けている。

会社員は、家族と住む自宅とは別に、隣接市に家出少女用のアパートを借りていた。高速道路を使って車を飛ばし、東北地方に住む14歳の少女を迎えに行ったこともある。逮捕されるまでの3か月間に判明しただけでも、関係を結んだ相手は14〜16歳の3人にのぼる。会社員は、家出掲示板を狙った理由をこう語った。「利用者が当然、未成年だろうと思ったから」