2015-01-01から1年間の記事一覧

金融機関の腐敗の始まり

かつてレーガン大統領時代に、1980年、OPECは原油価額を1バーレル104ドルに引き上げた。このためにアメリカ国内の石油・ガス価額もまた高騰し、その探査・採掘フィーバーが起こった。探査にはもともと投機性がある。その曖昧でリスクの多い事業に対して債権…

巨額の資金が瞬時にして動く

巨額の資金が瞬時にして電子的速度で動く性格の信頼性に立脚した市場であり、あらゆるリスクが渦巻いているといってよい。しかもそのリスクには特定国の政府や中央銀行、国家連合や国際金融機関なりの指導・監督・チェックが働くことのない自由な、換言すれ…

アジアの中間所得層

新興国などで年間可処分所得(税金を引いたあとの所得)が5000ドルから3万5000ドルの問に入る人のことを、中間所得層と呼ぶそうだ。日本円にして50万円から350万円ぐらいの間だろう。途上国や新興国の物価が安いことを考えれば妥当な数字だ。今アジアに…

アジア工業化がもたらすもの

一九七〇年代になって、変動相場制への移行が行なわれた。しかし、資本の国際間移動は、自由ではなかった。したがって、製造業の移転という問題は生じなかったのである。八〇年代になって、資本輸出国の側では為替管理が緩和され、資本輸入国の側では外資の…

キャッチ・アップのダイナミズム

長嶋氏が巨人軍の現役選手であったのは一九五八年から一九七四年までの一七年間であったが、この間は奇しくも日本経済の驚異的な高度経済成長時代にほぼピッタリ一致するのである。ちなみに、この長嶋時代の年平均実質経済成長率を計算すると九・三%となる…

圧倒的な勢力となった軍部

このクーデターの失敗により、PKIは壊滅的な打撃を受けた。また、三者間のバランスの崩壊を危惧して、さいごまでPKI擁護の立場をとりつづけたスカルノも威信を失墜させた。そうして、インドネシアの政治舞台におけるほとんど唯一のパワーグループは、…

企業中心主義との矛盾

こうした矛盾ぱ、けっして「消費者密着」といったことにのみ関わるわけではない。「大都市集中」「地方不在」型の経済発展ではなく、地域間でバランスのとれた、より分散的な日本経済を構築するという課題においても、同様の問題が発生する。なぜなら、それ…

反共の軍

自衛隊創設過程におけるこのねじれが、「一九五〇年以後に始まる長く激しい再軍備論争」示林直樹、前掲書)のもととなったのは当然だった。九条をめぐる議論が神学論争などと称されるいわれはない。論争は最高法規をねじ曲げる権力の濫用に対する、具体的で…

自給自足できる国はわずかである

世界の製造業を見渡して、どこでどの企業がどんな性能の部品を製造しているかという情報を握っていれば、それを念頭において、完成品の設計が出来る道理である。大衆的な製品であれば、これで十分に競争力のある商品を開発できる。「日本経済の混迷を解く大…

失業率低下と財政黒字

米国経済の優位は、特に日本との対比によって際立つたかたちで表れている。わずか十年前まで「アズ・ナンバーワン」の高みから「怠け者の大男」と、米国を見下すようなそぶりを見せていた日本に対して、劇的ともいえる再逆転を演じているからである。何より…

行政の情報公開等

いまさら、というべき規定である。情報公開法のモデルとされる米国の情報自由化法が成立したのは。九六六年七月四日の米国の独立記念日だった。その後、先進各国で同様の法律が次々に誕生した。日本でも、地方レベルでは山形県金山町が一九八二年三月十九日…

農民の反乱を収拾できなくなる

七八年四月、ダウトを暗殺して、タラキがひきいる人民民主党が政権を獲得したものの、内部抗争が激化し、七九年九月、最急進派のアミンがタラキを殺害して大統領になった。ところが、土地改革にたいする農民の反乱を収拾できなくなり、政権の存続そのものも…