「伊勢湾台風50年のつどい」に2000人 名古屋

被害の教訓を次の世代に伝えようと、「伊勢湾台風50年のつどい」が23日、名古屋市東区愛知芸術文化センターで開かれた。東海3県と名古屋市の主催。子どもから当時の惨状を知る高齢者まで約2千人が集まった。

被災状況を伝える映像が流されたほか、歌手の秋川雅史さんが「千の風になって」を歌い、犠牲になった人たちを悼んだ。

3県の知事と名古屋市長も出席した。岐阜県の古田肇知事は「両親が病院にいたので弟、妹と3人で手当たり次第に窓ガラスに板を打ち付けた。大変怖い一夜を過ごした」、河村たかし名古屋市長は「雨戸を外から打ち付けたおやじが中に入れなくなったのをよく覚えている」などと、それぞれの体験談を披露した。

体験を受け継ぐ立場の児童も、東海3県と名古屋市の代表計8人が「命と引き換えに残された教訓を決して無駄にしない」と「伊勢湾台風50年未来宣言」をした。

名古屋市港区から参加した宮原真七さん(72)は、当時陸上自衛隊員として被災地に入った。路上に遺体が豚などの家畜と並んでいた光景が脳裏に焼き付いているという。「伊勢湾台風を風化させない有意義な会だった。後輩の自衛隊員には災害に備え常に気を引き締めて任務に当たってほしい」と話した。